「ほんとにコレ持ってる人多いな。」
そうつぶやいたのはパソコン修理店の店主でした。
そのとき使い始めて既に4年。
実はそれまではパソコンに全く興味がなく、使うと言えばテレビ代わりにDVDを見まくることのみ。
それでドライブが真っ先に壊れてしまったので、修理店へ持って行ったんです。
「ちょうどXPが終わる時期だったからなのか、スペックがいいからか。
それはわかんないんですけどね。」
店主は続けてそう言いました。
「ほほう、スペックがいいのか。」
それが私のこのノートパソコンFUJITSU LIFEBOOK AH77/Dに対する最初の情報といってもいいかもしれません。
2016年、夏のことでした。
買った理由
そもそも私がこのノートPCを購入した理由は、父が「パソコンを持っていたほうがいいぞ」そう言ったから、ただそれだけなんです。
父と一緒に家電量販店へ行き、店員さんにすすめられるまま購入しました。
たしか12万円くらいだったと思います。
ただその時点で発売から1年ほど経過していたので、定価ではありません。
発売は2011年、その時の販売価格は194,800円だったようです。
贅沢な娘だったと思いますよ、ほんとに。
だって絶対的な購入理由なんてないんですから。
仕事でパソコンを使いまくっていたので、帰ってまでもパソコンの電源を入れようなんて思いもしなかったんです。
ネットサーフィンなら携帯で十分でしたし。
それで買ってから4年以上、DVDプレイヤーと化していました。
運よく、このドライブはBlu-rayディスクにも対応。
画面もワイドな15.6インチ。
ノートPCには省いてあることも多いグラフィックスも内蔵されていたので、動きもスムーズで画質も最高です。
今だって、ネットフリックスを見ても画面がカクカクと止まることもありません。
またディスクの読み込みだけでなく書き込みもできたので、ダンス発表会のビデオの焼き回しにも使えました。
この点については本当に満足しています。
購入の際に最終決断を下した父のファインプレイと言っていいでしょう。
残念だったポイント
ただ4年以上も経つと、家でも仕事の管理をしたいと思うように。
とうとう本来の使い方をする時がやってきました。
その当時、私の街でもカフェでPCをいじる姿が憧れの的に。
私もとてつもなくそれに憧れた一人です。
せっかく仕事するなら、おしゃれなカフェでクールにキメたい。
何も考えずに、それだけの理由でコーヒーショップにこのPCを持っていったんです。
そしたらまず重い。
重量は約2.8kgでした。
地味に重いです。
持てないわけじゃないけれど、10分も持てば次の日筋肉痛になるでしょう。
しかし、どうせ車なので今回その点は無視します。
次にデカい。
横384mm×縦266.3mmで厚みは37.5mm。
コーヒーショップの小さな丸テーブルからはみ出しました。
サイズがデカすぎるわけじゃないと思うんです。
ただ、横の席の人のPCは薄い。
この厚みがゴツさを際立たせている気がします。
しかも私のPCの色がレッド。
みんなはシュッとしたシルバーやブラック。
こんなのただの悪目立ち。
そして最後に、バッテリーが持ちません。
その時まで「駆動時間」なんて知りもしませんでした。
みんなのようにコンセントがなくても使えるにちがいない、そう思って疑いもしなかったんです。
するとバッテリーのサイン、減るわ減るわ。
40分足らずで、「電源に接続してください」とのサインが。
後に気付いて調べてみると、このLIFEBOOK AH77/Dの駆動時間は約1.7時間。
何年も使い続けていたので、当初のようなバッテリー駆動時間はすでにありません。
Bluetooth機能もないので、イヤホンはもちろん有線のみだし。
最後には、おしゃれな店でこのPCを使っている自分が恥ずかしくなってきました。
あわててコーヒーを飲みほし、その場をそそくさと後に。
今となっては、あんなファッショナブルな場所でガチのノートPCを使ったその勇気ある行動に、逆に感心すら覚えますね。
それから数か月間悩んだ結果、カフェでの仕事はi-padにお任せすることにしました。
見た目も能力もスマート。
Bluetoothで接続させたキーボードで文章の入力も快適です。
ですが、その作業が高度化するにつれて欲が出てきました。
「やっぱり画面が広いほうがいい、やっぱりテンキーほしい。」
そういう理由で、このPCを見直す時が再びおとずれます。
このとき2017年、購入から5年が経っていました。
やっと気づいた、よかった点
それから2年間、しっかりと使い続けています。
そして改めて気づくパソコンとしての良さ。
テンキーがあることはもちろん、スクロールパッドでページ上までガバッと移動できるのも私向け。
キー同士の間隔もちょうどよくて、すごくタイプしやすいのも魅力です。
やっぱりi-padとは違いますね。
i-padのタッチパネルは魅力的だけど、アプリだと操作方法が違うこともけっこうあり、何気に不便なことも多かったんです。
容量が大きくないので外付けのドライブも必要だったし。
でもこのノートPCは、そもそものハードディスク容量が750GB。
メモリや最初から入っているソフト等を差し引いても300GBは使えます。
当時のノートパソコンにしては大容量。
単純計算だとフル画質の写真が約30,000枚保存できることに。
USBポートも3.0が2コ、2.0が3コついていますが、これだけの容量があったのであまり使うこともありませんでした。
CPUは頭のいいインテルCore i7。
今でもしっかり機能してくれます。
またメモリが8GBあり、処理速度にも悩む必要なし。
動画の編集に凝った時もあるのですが、止まることなくきちんと編集作業してくれました。
量販店モデルでメモリ8GBあるものは、その当時この機種が初めてとのこと。
このスペックの良さが、購入から7年たった今もなお、現役でいてくれる理由です。
最大の問題に直面
遅まきながらも、スペックの良さを再確認した私。
カフェへは持っていけないけれど、家の中でコンセントを差しながら快適なパソコンライフを楽しんでいる矢先でした。
最大の問題に直面することに。
そう、それはWindows7サポート終了問題。
2011年製のこのパソコンに入っているのはもちろんWindows7。
こんなに快適に使えているのだから、アップデートしてWindows10にすれば問題ないだろう、そう安易に考えていた私がバカでした。
このノートパソコンに使われているCPUはIntel Core i7-2630QM。
つまり第2世代。
Windows10へのアップデートができるのは第3世代以降。
それ以前であるこのプロセッサーは Windows10のドライバーには対応していなかったんです。
調べてみると、アップグレードしても大丈夫だったという口コミも。
けれど、そのほとんどが何らかの支障が出た、との意見でした。
画面が黒くなったとの意見もあり、グラフィックスも古くて対応できないのかもしれません。
外見もキレイなんだし、中のパーツだけ変えてもらうか。
そんなことも考えました。
見積りをとると約9万円。
これって新しいものが買えるのでは?
2019年夏、期限までにお別れすることを決意しました。
これから
パソコンとしての実質使用期間2年。
もっと早くにこのスペックに気付いていれば。
そんな後悔が頭をよぎります。
そうしたら、もっと使い古してさわやかにさよならできたのに。
富士通ならではのバッテリー充電制御システムが、古くなってきたバッテリーの持ちをよくするために充電を65%で制御しており、画面右下の充電マークはいつも半分ほど。
それが「まだまだイケるぜっ」と訴えているようで、なんだか悲しい。
サポート期限の切れる2020年1月14日まで、何としても使いまくります。
そしてそれが過ぎた後は、オフラインで再びDVDプレイヤーへ。
ただし今度はこのスペックを活かして、動画や画像の編集もバシバシしますよ。
USBポートはたくさんあるので、それでやりとりすればOK。
やっぱり使えるからといって、今後もオンラインで使い続けていくのは不安ですね。
私の知識じゃ自分でどうにかできそうもないし。
次に買う時は、重量の軽いものがほしいけれど、このスペックを知ってしまったのでレベルを落とすのは難しいかも。
それほどまでに惜しいスペックでした。
ありがとう、私のLIFEBOOK AH77/D。
そのスペックに早く気づいてあげられなくてごめんね。
富士通ならではのバッテリー制御機能やスクロールパッドは気に入っているので、買い替えても富士通の製品にすると思います。