最初にパソコンを買ったのは18歳の頃でした。
大好きなゲームがパソコンでオンラインゲームになっているという話を聞いたときは小躍りしたものです。
バイトをして買ったパソコンの型番は忘れましたが、マウスコンピューターだということは覚えています。
ダイヤルアップながらもインターネットに繋げ、キャラクターネーム「タカユキ」として友人と見果てぬ大陸へと冒険に挑んだ気持ちは色褪せることはありません。
そんな中、私は海外のプレイヤーと仲良くなります。
そのプレイヤーは何やら私にお願いしています。
英語辞書を片手に要約すると既存のチャットツールでは不便だから、外部のチャットツールを使おうという意味だとわかりました。
Googleもまだオギャアと生まれたばかりの時代。
検索して探すにも難儀なものでした。
中々お目当てのチャットツールが見つかりませんでしたが、念願かなってダウンロードに成功します。
いざ解凍してインストールしようと思ったところで異変に気付きました。
パソコンが重く、まともに動きません。
夢の中で操作してるかのように反応がまともに返ってきません。
システム音が鳴り響き、私の初めて買ったパソコンは小さな呻き声を残して画面が真っ暗になりました。
当時の私にとっては皆目見当はつきませんでしたが、ウィルスに感染していたようです。
男の将来はお金の使い方でわかるといいます。
初めて買ったパソコンと比べて今の私のパソコンはどれだけ違うのでしょうか。
それでは見ていきましょう。
今となっては私のライフスタイルの相棒となったパソコン
2011年3月11日、東日本大震災。
未曽有の大地震が東北地方全域を襲い、広範囲に掛けて沿岸部の住民に津波が押し寄せました。
身内が被災して、私は当時静岡にいたのですが、単身東北に赴き、復興支援として地質会社に出向していました。
仕事の内容としては、地盤状況の確認、トンネル調査から、水質調査、果ては生態調査まで。
ありとあらゆる、東北の山々を登り、そこに蓄えられているデータを収集、そして地盤サンプルの観察記録、報告書の作成に奔走していました。
当時の大地震後の復興事業は兎にも角にも、人手が欲しい状況で、何もスキルのない私にも白羽の矢が立つ状況でした。
日本中の、そして世界中の土木業者が集まり、復興に向けて動き出している状況にも関わらずというのにです。
仕事も慣れてきた2014年頃、並行して仕事をこなすには限界があると悟ります。
私は出張の際に常にバッグの中に入れていたパソコンがありました。
こうして2014年からこういう状況を想定してMyパソコンを再び購入することになったのです。
私のパソコンは遊びを支えてくれる友から、仕事をバックアップしてくれる相棒へと変化を遂げていました。
パソコンを購入する時に巡り合ったことは偶然にも原点回帰だった
データを収集する際に、現場にパソコンがあったら格段に捗る事を知っていた私は、ある一つの事を念頭に入れて購入するようにしました。
この仕事は地盤を調査してほしいわけですから、当然登山道の様な安定した山間ではなく、地盤の緩い安定しない場所を登ることがほとんどでした。
従って、落石があったり、自らが滑落する恐れがあった私は転倒したり、落ちたりしても大丈夫なパソコンが購入においての大前提でした。
しかし、通常のメーカーで検索したり電話したりしても、オフィスや、家庭内で使うことを想定したパソコンしかなく、崖にぶつかっても大丈夫なパソコン等は中々見つからなかった覚えがあります。
その時ふと目に止まったメーカーがありました。
2008年にグループ会社のマウスコンピューターに吸収合併されたiiyamaでした。
奇しくもマウスコンピューターという繋がりでiiyamaというメーカーと巡り合った私はオーダーメイドによって購入するパソコンをカスタマイズしてもらうことになります。
オーダーメイドで耐久性のあるパソコンに
Iiyamaはある程度融通も聞いてくれて、パソコンのフレーム部分の耐久性を上げて欲しい旨を伝えた所、少々戸惑う様子を見せましたが、誠意に応じてくれました。
本体購入金額は私個人で支払い、外装部分はなんとレンタルで経費として落ちました。
パソコンも業者向けに作る事も多く、このような注文も「なくはない」との事でした。
コンプライアンスの関係上、一時的に会社資産のパソコンになるものの、役目を終えた時はゲーミングパソコンにしたかったので、グラフィックボードが搭載できるゲーミングPCを購入しました。
実際に搭載しようとすると価格が跳ね上がったので、搭載するのは諦めましたが。
しかし、CADや3D観測データーを表示することもあった為、CPUにだけは金額を投資しました。
本体価格はカスタマイズ料込みで14万円程。
後にアップグレードした所もあり+4万円程となっています。
届いた梱包から伝わる圧倒的な重量感。
梱包を開けたら姿を現した耐ショック性に優れた外部フレーム。
通常の1.5倍は大きく、アタッシュケースのようになったその姿に思わず呻き声が漏れました。
全体は黒いカラーリングで、角は丸く滑らかな形を描きつつも、どこか中世の騎士を思わせる重厚感を漂わせています。
私に頼もしい相棒が届いた瞬間でした。
パソコンを買ってよかったこと、失敗したこと
パソコンを買ってよかったことは、やはり仕事の効率が格段に良くなったことです。
普段はデータを入手したら、確認の為に支社、または支店にデーターが取れているか確認しなければなりませんでした。
ここで取れていなかったらもう一度行かなければなりません。
最悪の場合、2000m級の山の中腹へ登り直しです。
しかも登山道ではなく、緩い地盤に不安を覚えながらです。
パソコンを買ってからその心配がなくなりました。
データが破損しているかどうかは、USBスロットに差し込めば直に確認できるのですから。
買って失敗したことと言えば、本末転倒というべきでしょうか、やはり外部フレームをオーダーメイドしたことにより、全体の重量が重くなってしまったことです。
データ収集の他にも場合によっては、データをリアルタイムで収録しなければならない場合があります。
その場合は総重量20kgはある観測機器を背負って観測場所まで向かわなければなりません。
パソコン自体の重量は3.0kg程になりましたので、観測機器と合わせた重量は考えただけで気分が滅入ります。
一番失敗したと思ったのは出張時で、3.0kgの重量はなるべく重量を軽くしたい出張時には致命的でした。
しかし、パソコンの使用感を言うなら、当時普及し始めたSSDを初期搭載していたので起動がもの凄く早く、報告書やExcelを複数立ち上げても、物ともしないパワフルな動きを見せてくれたところでしょうか。
また3D表示もある程度こなすことができ、添付されたCADデータ等を現場で開いて即座に確認できる利点は大きいものでした。
まとめ
出張や、観測業務でパソコンを使う場合は重量が軽いパソコンを選ぶようにしましょう。
特にたった3kgでも山間部のトレッキングには致命的な重量となりかねません。
また、重量の重さは出張時の取り回しにも大きな影響を与えます。
元請けに調査内容を見せたり、メール内容を確認したい時等のちょっとした動作で重い重量が気にかかります。
しかしそれを補って余りある耐衝撃性の高さはデメリットを打ち消すほどでした。
背負ってあるリュックが岩壁にあたったとしても内部のデータは壊れずに通常通り起動してくれたことは何度もありました。
現在このパソコンは外部フレームを返却し、戦場の老兵のように静かにモニターの内容を映し出してくれています。
今まで一緒に戦ってきてくれたことに感謝し、今後も故障せず起動してくれることを願うばかりです。